2014年01月

「そにアニ」



目覚まし音からの入り。やかましいベルの音が、聴覚に注意を向けさせる。それでも寝続けるすーぱーそに子(18)のヘッドホンは、音を遮断する拘束具として機能する。性的搾取に拘束と不能はつきもの。だが妙に具体的な設定を与えられたこの主人公は、ただのエロいアホの子というわけでもない。大学の講義にはきちんと参加しているし、バイトにバンド活動と私生活も充実している。地域の人と仲がよく、子どもにも好かれる。第1話の最後で、この主人公は歌い出す。ヘッドホンは音楽と結びつき、聴覚の拘束具から拡張器に変わる。この主人公は「きく」者である。

彼女は明らかに性的な外見を纏わされている。グラビア撮影では容赦ない視線に晒され、居酒屋では男どもに給仕をしなければならない。あからさまに性的に搾取されまくっている彼女は、性格も「良い」わけで、人の頼みを断れない。エロい衣装、急の練習、撮影の代役、MCの無茶ぶり……、言われるままに、何でも言うことを「きいて」しまう。彼女がひとの言いなりになることで、物語は動く。かわいそうな美少女に適当な試練を与えておけば、見た目も良いそれらしいお話が勝手にできあがる。……というような、まあ当たり前のことを、あからさまなキャラクターに(妙にリアルな設定のもとで)やらせてみると、いかに鈍くとも少しは不安になってくるものである(見る者=カメラマンのセリフ「こんなことしていいのか?……いいのかも」)。この作品には、(特にアイドル的な存在を)物語ることそれ自体のマッチョ性への自覚が、なんとなく漂っている。

1話の最後、そに子は「今日もいろいろあったけど、楽しかった」と自己肯定する。この自己肯定は、性的搾取の肯定なのか、その突破の宣言なのか。彼女は自分の歌をうたう。そに子の口はキティーやミッフィーのように塞がれてはいない。