2015年02月

「聖剣使いの禁呪詠唱」第4話

 引き続き面白い。2話では大蛇を避けながら綴り、3話では練習相手と会話しながらにこやかに綴った。4話、宇宙はもちろん面白いし、それまでシーンでのふり向き綴り(ちゃんと文字も反転してついてくる)と瞬間移動綴りもポイントが高い。いろんなバリエーションの綴りを見せてくれるのが良い。お約束破りの綴りの間の敵の攻撃も、(1)速さの強調(瞬間移動じゃないと攻撃できない)、(2)リスク描写(危険を冒して綴っているのだ!)、(3)宇宙まで飛んで行くことの理由(あそこなら邪魔されない)、というように、効果的に機能している。

 主人公の記憶・回想→「思い出した」→「綴る!」→強い魔法が出るのパターン処理も、4話はなかなか気が利いていた。今回、前世設定が大きく関係したのは、中盤の「人を縛る鎖はない」発言と終盤の禁呪だが、どちらも諸葉は直接思い出していたわけではなかった。特に禁呪の前に思い出していることは、これから彼が禁呪を詠唱することとはほとんど関わりがない(2話・3話では使う呪文を直接思い出していた)。また、彼らの前世設定は、能力以外は彼らの現在と全く関わりのないものとして出てくる(歴史上の人物の転生とかでないのが良い)。よって、その回想を見て「ああそうだったのか!」的な感動を覚えることはない。つまり、過去の回想が、今に至るお話の種明かしにも、これから起こることのネタばらしにもなっていない。なのに、それをその時「思い出した」ことが、次の展開に決定的に結びついている。

 このさじ加減はなかなか稀有なものではなかろうか。今回の回想シーンが楽しいのは、それが過去を説明しているからでも、未来の予告だからでもなく(「彼が勝利する」という意味では確定演出だが、あの回想から「彼が宇宙に行く」ことを予測するのは不可能だ)、いまそれを思い出している彼がいまから起こすことに期待を持つからだ。この興味は、お話や設定に対するものでは決してない(お話や設定が知りたいなら別にアニメを見る必要はない)。その時間で描かれているのは、「思い出すこと」と「行動すること」が一つの運動として統合された、灰村諸葉の動きそのものである。だから見ていて面白い。

 ただよく見てみると、実は長い呪文は一度も正確に詠唱していないのはかなり良くない。この詠唱は、詠唱の声・スペリングの動き・ポスプロ字幕、の3つの情報が完全に同期した時に、最高の面白さが実現できる、ような気がするのだが、しかし2話の第五階梯は詠唱が引き伸ばされている(シーンが長すぎるので何度か同じ行を言ってごまかしている)し、4話の禁呪も、字幕では出た「我はそれを認めない 我はそれを解さない」が詠唱ではカットされている(シーンが短すぎた)。よくごまかしていると言えなくもないが、綴りの面白さを見せようとするなら、ここだけは几帳面に気を配って欲しいところ。1話の冒頭で詠唱がぶつ切りにされていたのもこのためか。

 音楽のタイミングが良い。コンテは平田智浩。