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「ロビンフッドの大冒険」第22話の真下演出メモ

 これは名作回。1話・3話に続いて真下監督のコンテ演出回(平田智浩作監)だが、今回は特に良かった。

・透過光カットとネオン色ランタン
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最初のシーンからキマっている。決然としたマリアンの振り向きを捉える。ランタンがネオン的な色彩なのが真下的。

・「おじゃる」と「あいうえお」
セリフも活きている。口癖が移ってしまうのは、いかにもアニメ的な僧正の造形を逆手に取った。強硬派マリアンの緊張が続いた後の、ヘタレ男4人組の無意味な「あいうえお」も良い。この緩急。

・止め画の妙
緩急といえば、マリアンが気絶するシーン。ピタゴラ運動で落下してくるシャンデリアをテンポいいカット割りで映した後、気絶したマリアンを止め画で捉え、急にリズムを崩す。抱き上げたロビンが思わずウィルに視線を移し、またマリアンを見つめる間。ここは音響演出も妙で、シャンデリアの落下音でロビンの呼びかけがかき消されていたり、その後の無音+松明の効果音が、映画的なカット割りと相まって、フィルム上映のノイズっぽく聞こえたり。

・回想シーンからの色彩侵蝕
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館に入ってからは引きの画を多用して視線を意識させる。この館の色彩は堪らない。炎が緑色なのはさすがに驚くが、この色彩が回想シーンから連続していることに注意。回想という虚構と作品内現実を「お化け屋敷」で混淆させている。回想を挟みながら館にたどり着く移動の処理も見事。

・階段芸
階段のシーンもいちいち構図がキマっていて格好良い。上りは恐る恐るゆっくりと、下りは(マリアンの落下に呼応して)一瞬で。ビビっていたジョンは蒲田行進曲的な階段落ちで一気に下る階段芸。

・音楽
そして部屋シーンの印象的な音楽。映像を侵蝕するかのような音響演出は真下の十八番。回転扉に引っかかるマリアンがこちらを向く、一瞬の間。

・附打木槌
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ここから映像はさらに怪しさを増していく。剣を持ったマリアンが振り返るカットでは、どう考えても歌舞伎の附け打ちのような効果音が用いられる。動きも見得を切る役者のそれだ。この音は後に闇オークション司会の木槌の音だと判明するが、いやそれは音違うだろう。展開もどんどん劇臭くなっていく。ここのマリアンの動きは「NOIR」1話のミレイユを彷彿とさせる。

・照明の調整に余念がない登場人物たち
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随分と自覚的に照明を調整する登場人物たちである(照明を落とす動きは2度ある)。もちろん、ここの照明の調整は、マリアンの超常現象を捉える準備だ。髪の色が変化したように見えるのが象徴的。

・水と超常現象
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もはや真下演出以外の何物でもない映像が展開される。超能力を発動させたあと昏い微笑みを浮かべる茶髪・短髪のマリアンはもうビィートレイン作品のヒロインにしか見えない。

・仮面変態とストーカー
僧正の仮面も「悪くない」が今回はやはりギルバート。顔は隠れているが、マリアンは一瞬で見破るし、印象的な変則ズームが、マッチが見た「亡霊」と彼を結びつける。「仮面の変態」と「ストーカー的サブキャラ」のルーツはこの辺か。最後のシーンで部位→全体と見せていくのもいい。

 本作の放送開始は1990年、真下監督のテレビシリーズ作品としては4作目。すでに後のビィートレインに繋がる作風が確立されかけていたことがわかる。作家論的に見ても面白い回だった。
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