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「ノワール」(BD版)第2話

 BDのPVで気づいたが、「BEE-TRAIN」なる店が登場している第2話。カフェの席からゆっくりと立ち上がるミレイユが良い。冒頭で吹っ飛ばされた一家の葬式。楽しげな音楽が途切れ、墓地と葬儀の静寂が感じられる……と思っていると、カメラは「私の車で話そう」と言った男二人を追って車に入り、彼らがドアを閉めた途端、本当に無音の静寂。音響のフェイントと会話する二人の顔アップが、二人の間に座ったかのようなカメラを意識させ、注意を作品世界に引き込む。車内の空間の狭さ、二人の距離の近さ、会話の深刻さ。車内の二人は同時に映されないが、そのことが却って距離の近さを感じさせる。手前と奥に分かれて車から降りてくる二人。こんどは堅気と内通者の距離が感じられる。

 霧香の仏国旗のTシャツ、白の部分が大きすぎませんか。霧香がミレイユにナイフを渡す名シーンは、ミレイユの「そこのナイフとってちょうだい」でミレイユ側からナイフ手元のアップへ、霧香がナイフを回転させると、次のカットは霧香の一人称。セリフと動きとカメラの回転が噛み合っていて面白い。(1)ミレイユ側から台所の二人→(2)ナイフ回転→(3)霧香視点で無言のミレイユ→(4)ミレイユ視点でボーっとナイフを差し出す霧香→(5)もう一度(3)と同じミレイユ。(3)があるか否か。(2)の次が(4)では霧香がただの異物になる。(3)があるから、ヤバい人っぽい霧香と、それに比べればマトモだが結局は同業であるミレイユ、その微妙な距離感と付かず離れずのカメラが、妙な間とともに現れる。長い1話の回想は、時計を開けるあたりで「melodie」が2コーラス目に入るのが面白い。で、長い回想の後どうなるかといえば、ミレイユが植木鉢をちょっとズラすだけ。こうなると、否が応でも植木鉢は「melodie」と結ばれて、特別なモノとして見えてくる。

 レストランの席に着きすぐ席を立つ、あからさまに怪しいぞピエール・クレッソワ。ノワールが仕事を受け、PC画面に "I will undertake the case. noir" と打ち込まれると、次の場面は1話で見覚えのある荘園の風景。「les soldats」がプロローグ部分を超えて流れる。謎の女性=アルテナが書き物をしている。打ち込まれた "I will undertake the case." と「書く」という動作が結ばれる。主語がアルテナにすり替わり、「案件を引き受ける」は「核心に着手する」に読み替えられる。ノワールふたりの射撃訓練は、「les soldats」が流れ続けていることで、アルテナによる "undertake" の内であるかのように見えてくる。足を使った調査、射撃訓練、銃の手入れ、仕事人お決まりの準備プロセス。彼女たちが undertake the case することが、アルテナによる undertake the case なのだ。

「ノワール」のコードネームにビビりまくるルグランと、ぜんぜん興味なさそうなクレッソワ。「いくらでも手の打ちようはある」とか言っておきながら全く手を打っていないクレッソワはお笑いだが、本当にものすごく弱いので、まあ極右組織とはそんなものなのだろう(?)。だが明るいうちに死ぬこいつは前座。低い姿勢から的確に射撃するミレイユが良い。ノワールが仕事を遂行するうち日が落ちて、赤黄の暖色系だった背景が、紫と暗闇の霧香パートに変わる。だから、あのオッサンは影から出てくることができる。「好きにしろ」と言われて本当に好き勝手やっているこのオッサンはなかなか好感の持てる相手だ(そういえばこの首絞腕時計は「タイラー」でハルミ伍長が使っていた)。銃でピアノ線(?)を受け止めてサングラスの弦で刺すアクションは、面白いけどちょっと見えにくい。

 アクションシーンで流れるのは「salva nos」。1話ではほんの顔見せ程度の使われ方だったが、今回はちょっと長めに掛かる。だがまだ1コーラス途中までの溜め。明るくなったセーヌ河畔、帰還するふたりにはサビ部分のアカペラバージョン。この曲の全貌が明らかになるのは次回以降。空は黄緑、部屋は黄色、たとえ同じ部屋の同じ壁であっても、この世界では何色にでもなりうる。
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