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「ラブライブ!」2期第1話:#14∧#1



 なんと生徒会長になったらしい高坂穂乃果が舞台袖から登場、自己紹介を始めたと思ったら、突然マイクを投擲し、これまでの経緯をミュージカル風に歌い出す。ヒデコ・フミコ・ミカの3人組をはじめ、μ'sのメンバーや一般生徒をも巻き込んでいく穂乃果。階段の手すりを滑り降りてくる動き、歌と踊りに他者をも巻き込んでいくその姿。彼女は自らの歌と踊りをもって映像を起動する。1期13話の宣言=「μ'sミュージックスタート!」を引き継ぎつつ、嘘くさいライブパートを突っ切って「疲れた~」と言った現実では、しかし彼女は歌うどころか一言も話せていなかった。虚構レベルが断絶した映像を強引に行き来するその在り方。思い出すのは、……=1期1話

 思い出させられるのは冒頭の1話だけではない。2期1話は背景と登場人物を入れ替えながら、「ラブライブ!」1期全13話を早回しで蒸し返してくる。CM明けは、穂乃果・海未・ことりの3人で講堂あいさつの反省会。海未「せっかく昨日3人で挨拶文も考えたのに」穂乃果「せっかく練習したのに~」。この3人+講堂+練習と成果の披露(の失敗)、これらが合わされば、連想するのは=3話。次、穂乃果に会長の仕事を振る海未。ファイルを渡した後、わざわざ紙を手渡して読み上げるのは、一般生徒からの要望書。生徒会長の仕事は多い。ことりが「3人いるんだし、手分けしてやれば……」と言ったところで、絵里と希が登場。3人という限定はすぐに拡張される。紙のやりとり+匿名生徒の声+3人からの拡張、これは=2話。にこの登場で場面転換。あの音楽+青空の屋上でにっこにっこにー、明らかに=5話。立て続けに、カメラ+にこの黒いオフ台詞+花陽の知らせ=6話。穂乃果を探して走り回る1年組とにこ、部室→生徒会室→教室→屋上→アルパカと移動して前庭へ。穂乃果の不在+1年組の移動+きっかけはアルパカ+背景のあの木=4話。部室でラブライブのチュートリアルをする花陽+振りかかる試練=7話。穂乃果の「○○なくていいんじゃないかな」は=6話。ちょうど半分でCM。

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1期の各話を思い起こさせる映像が続く。右はラストカット、やはり正気じゃない感じがある。

 B。ここはちょっと強引に、第二部室+自分を見つめる+写真で遊ぶ・アキバに出たμ's(特に絵里)で、=9話。夕陽の背景でA-RISEを見るのは=13話も思わせる。画面分割の電話シーン+雪穂と亜里沙+廊下で絵里と希の会話=8話。海未に渡されたファイルをちゃんと運んでいる穂乃果に、にこが絡んでくる。勝負をするらしい。ジャージ姿+神田明神+コケるにこ+雨は=5話だが、階段を走る穂乃果+雨で=11話にも見える。雨が降っているから屋根の下に固まる9人。穂乃果を囲み、マジな雰囲気で9人がどうたらこうたらと言い出す=12話。「だってー可能性感じたんだー」の歌声に釣られて歌い出し、穂乃果は復活を宣言。駈け出して「雨やめ!」と叫ぶ。本当にやむ(ここで雨が降っていたのは明らかに穂乃果に雨をやまさせるため、そのきっかけはにこがコケたこと。にこと雨はつくづく仲が良い)。このへんは当然=13話。おまけに、「次回のラブライブ!」(合宿っぽい)=10話

 ……というふうに、映像は1期全13話っぽい断片をつなぎあわせたように展開する。2期の1話で1期を総ざらいしておくのは、たぶん珍しいことでも面白いことでもないが、だが1期の魅力を映像上での物語と登場人物の暗闘に見た当ブログにとっては事は重大であった(詳しくは総論など)。14話なのか新シリーズ1話なのか、はたまた「ラブライブ!!」とかやってしまうのか。で、結局のところ、タイトルは「ラブライブ!」のまま(一応「2期」とか「2nd Season」とか付いたりする)、直系の続編なのか再スタートなのかも曖昧さを残したまま、映像は1期の達成を早回しで再現するかのように展開し、エンディング「それは僕たちの奇跡」、=オープニング(クレジットも「OP」になっている)。結びにOPが流れるのだから、本編は全部アバンである。では「ラブライブ!」のアバンには何があったか? 思い出すのは各話冒頭、「前回」と宣言することで、映像のピントを〈いま〉に合わせたあの掛け声。2期1話は、言わば全体が「前回(まで)のラブライブ!」だったのだ。タイトルの「もう一度ラブライブ!」は、作中イベントの「ラブライブ」と作品名『ラブライブ!』を重ねて2期の開始=第1話を表しているのみならず、もう一度1期の「ラブライブ!」を展開し、μ'sをその先=第14話に置く操作でもあった。ラスト、「優勝を目指そう!」(1期ではありえないセリフ!)と言った穂乃果がカバンを上着を脱ぎ捨てて走ってくる映像から思い起こすのは、言うまでもなく=1話。1期の成果を引き継ぎつつ、新たなスタートを切る。穂乃果が映像の駆動原理から降りた〈いま〉の中で、彼女たちはどう振る舞うのか。14話でありかつ1話でもある映像のラストカット、穂乃果の顔は画面からハミ出て、ピントは追い付いていない。

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左が2期1話(仲間のもとへ駆けていく)、右が1期1話(誰もいない、ぼんやりとした空間に駆けていく)。こういう違いに、つい目が行ってしまう。わざわざ雨の中に走っていったのは、この助走距離をかせぐため。走るための後退。

OP∧ED

 飾り付けられた体育館でのライブシーン。観客のような、かつ音ノ木坂の生徒=μ'sを応援する関係者のようでもある学生が後ろにずっと映っているのが印象的だ(当ブログの1期の読みからすると、μ'sが大勢の観客の前でライブしているというだけで隔世の感がある)が、にこのジャケット絵の後、カメラが後ろに回りこむと、この生徒たちはμ'sの正面にはいないことがわかる。μ'sは生徒たちと共に無人の体育館に向かって歌っている。

 曲のクライマックスでは、穂乃果を中心に後ろを向く振り付け。ここでカメラがぐるっと回り、いままで後ろに映っていた生徒たちが、μ'sの正面=普通の観客の位置に来る。観客∧支援者だった学生が観客の側に移り、μ'sを中心にして、物語内観客と視聴者の位置が入れ替わる。このことで、μ'sの正面にいた(映像上にはいなかった)視聴者が、彼女たちの後ろにいる者としてそこに現れているかのように思えてくる。ただの観客ではない、μ'sの支援者であると思わせてくれるサービス。次のカットで、生徒たちががフレーム外に消えるほど穂乃果に近づき、穂乃果がこっちに振り向いて腕をぐるぐる回す。体勢を崩しそうなほどこちら側に伸ばされた腕は、しかし何も掴まずに、向こう側でグルグル回るだけ。ここで曲の最初から舞っていた花びらの追加効果。ご丁寧に、穂乃果の伸ばされた手とカメラの間に花びらが映りこみ、スクリーン的な壁を感じさせてくれる。

 切り替わると、あちら側に駆けていく後ろ姿(置いて行かれる!)。その先に見えるのは、物語の“ホーム”だった音ノ木坂学院。彼女は還っていく。Cメロの歌詞がよく聞こえる……楽しげなOPが生前葬に見える。

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左でμ'sの前に観客がいないことがわかる(後ろ側に向かってパフォーマンスするにこのプロ根性も見える)。このことで、サビのダンスがとても空虚な、物悲しい感じに見えてくる。PVだと考えれば客がいないことは不思議ではないし、「生徒たちと共に歌っている」とポジティブに見ることもできるが、ここでは「誰もいない空間に向かって歌っている」ほうで拾ってみたい。右で穂乃果がカメラを振り回し、場のカラクリ効果が見える。

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曲の開始とともに舞っていた花びらの視覚効果。穂乃果が腕をグルグル回す動きと相まって、スクリーン的な壁を感じさせる。1人1ジャケット絵の割り当てからすれば、右はその法則を崩すが、1期の最初を逆走するこのカット1秒が感慨深い。
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