「ばらかもん」OP

「ばらかもん」 | 【アニメ】はバンダイチャンネル

 良い。何が良いか。まず最初が良い。机に置かれた硯に光が差し込んでくる。適当なアニメのOPに頻出の映像、アレがあるだけでかなりげんなりさせられるが(いったい何を映しているのか?)、3カット目で、その光がこといしなるが扉を開ける動きの結果であることがわかる。この作品には、映像を動かせるキャラクターと、それを捉えられるカメラがある。アバンになるはいなかったから、これが作品初登場のカット。本編の登場シーンでは、逆に半田に外から扉を開けられていた。なるの登場にはどちらがふさわしいか。効果的なOP。

 その硯には墨がない。半紙は白紙。半田の足元に墨の跡。歩く半田。歩行運動と運筆が結びつく。足跡とか軌跡とか人生みたいなものを筆の跡と重ねるのはわかりやすい。なめらかに、直線的に歩く半田。ここでもう一つの線、飛行機雲が現れる。半田は気をとられて立ち止まる。半田が立ち止まると、筆が動き始める。書は足を止めねば書けない。次のカットが良い。直線的に歩き続ける半田と、立ち止まったり走ったり、変化をつけて運動するなる。半田の足は堤防で隠されているが、なるは画面中央で足を動かす。人間の歩行は滑らかな直線運動ではない。なるは線を跨いで、飛ぶ。線をくねらせ、変化をつける。これぞ書の筆の動き!

 半田は飛行機雲に気を取られて立ち止まった。彼が手を伸ばし、雲の続きを書く決定的なカット。書の紙が地面から空へ、筆が足から手に変わる(上方向への変化)。反転したなるはダッシュしながら手を筆にする。足を動かさずに、座った姿勢のまま、半田は手をこちら側に差し向ける。執拗に繰り返されてきた横方向の運動が、最後はZ方向に。半田がこちらに向かって筆を動かす。なるもこちら側に手を伸ばす。ふたりの運動の結果が「ばらかもん」のタイトルになる。この動きは一瞬で、印象的だ。

 本編も、靴→飛行機のジャンプ(飛行機は2カット使う)、落下からの堤防登り、目線の高さを変えた景色の変化、雲と海・「楽しい」を反復させる構成など。面白い。

 監督は橘正紀、OP演出は中村亮介。
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