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I've『THE TIME ~12 Colors~』



 新旧ボーカル大集合がコンセプトということで、収録12曲は、ボーカル12人が1曲ずつ、コンポーザー6人が2曲ずつという構成。バラけていて良い。全曲オリジナルなのも良い。特に、3、7、10、12が良い。

 その中でも7→8の流れが面白い。7の「Stardust Train」は高瀬一矢とKOTOKO。真打ち感がある。で、8の「Hydrangea」がNAMIとLarval Stage Planning。新しい感じがする。時の流れを感じる。長い前奏と間奏+Cメロが印象的な7に対して、ほとんど隙間なくボーカルが入る8。人間が歌ってる気がしない(匠の技!)7に対して、歌詞の言葉がよく聞こえる8。違いがわかる。でも、確かに、なんだか両方I'veっぽい。そういう感じがするから、I'veっぽいって具体的にはどういうことなんか、とか、どういうところに惹かれてるのか、とか、そんなことを思わせる。

 受ける印象。音が多い。重ねまくる。なんか複雑。サイケな打ち込み。デジタルな繰り返し。背後に人間がいない感じ。でも、曲を聞き終わると、そういう要素への印象はあまりなくなる。パーツひとつひとつの存在感は消える。埋もれる。パーツ自体は印象を持たない。切った音があからさまに組み上がっている、構成されているのがわかるのにバラせない、でも打ち込みだから人間が音を出し合って構成しているわけではない……。この感じ。こういう感じが好きだ。この点、Stardust Trainは、凄く複雑という印象はなくて、むしろパーツが比較的聞こえやすい気がしながら、しかしバラせない、曖昧な全体に際どくとどまっている感じがした。だから、良いと思った。

 逆に、Hydrangeaは、パーツの音が聞こえてくる。これが質の善し悪しなのかどうかわからないが、要素に還しやすいというか、あ、いま音鳴らしたな、という感じがしてくる。部分が全体からハミ出ている感じがするところがある。ボーカルも、少なくとも前の曲よりは歌詞がよく聞こえる。人間が言葉を喋っている気がする。(Youtubeに上がっているラジオで、作編曲のNAMIが「ボーカルは素晴らしい楽器だと思った」みたいなことを言っている。簡単にボーカルを楽器扱いするところがクールで面白い。ボーカルは人間であって楽器ではない)。でも音が重なる感じはI'veっぽい。……2曲が並んでいるからこんな感想が出てきた。

 全曲オリジナルなのも良い。I'veの曲は編曲が一番聞きたいところだと思っている。編曲は作詞作曲には先立たないはず。曲が無いとできないんだから二次的なことだが、しかしそれが一番の勘所。エロゲー曲から始まったというのがまたそれらしい。言いたいこととか歌詞の根拠とかは外から持ってきて作っている。でも作品に紐付いた曲は(特に歌詞の内容が)作品を指向しているわけだから、それ自体に意味がなくても何かを指す機能がどうしても強く残る。思い切ってわかりやすく言えば、メッセージ性が強すぎる。でもボーカルを楽器扱いして編曲で聞かせる曲には、先立つものは無くていい。一周回って、オリジナルのほうが味が出る。そういう意味では、ガールズコンピレーションのコンセプトも良い。誰々のアルバムでは無い。出自不明の曖昧な曲が並ぶのがいい。

 ……とにかく、Stardust Trainが妙に気に入った。これまでのI've曲の中でもベスト付近。
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